司法修習

先日，センター試験の受験生のなかに「こんなにきつい試験は，ほかにない」という趣旨の発言をしている子がいました。

思い返してみると，高校，大学等々で様々な試験を受けてきましたが，一番キツイ試験，特に肉体的にきつかった試験というと二回試験が思い浮かびます。

この二回試験とは，司法試験合格後に受ける研修（これを「司法修習」といいます。）の最後に受ける司法修習生考試のことを言います。試験時間が，朝10時頃から夕方6時まであり，試験科目も5科目を１週間程度の期間にまとめてやるという過酷な試験です。

そして，この二回試験に合格しなければ，司法試験に合格しても裁判官や検察官，弁護士にはなれないため，いわば法曹三者になるための最後の関門という性格があります。

司法試験に受かるとすぐに弁護士になると考えられている方が多いと思いますし，現に，私も司法試験に合格したというと「すぐに弁護士先生だね。」とよく言われました。

ただ，弁護士になるためには，司法修習という一種の研修期間を過ごしたうえで，二回試験に合格することが必要になるわけですね。

この司法修習は，各都道府県ごとの実務修習と埼玉県にある司法研修所という施設で行う集合修習とがあり，集合修習中は研修所内にある寮等で生活することになります（実務修習中は，実家で生活することや，アパート等を借りることになります。）。

私も，集合修習では寮に入りましたが，この寮も曲者でして，病棟みたいな建物・部屋で，非常に気が滅入る思いをしたものです。

そのような精神状態で受ける二回試験，今思い返しただけでも体力的にも，精神的にもきつかったと思います。

あのニュースの子がもし司法試験を受験することになって無事合格し，二回試験を受けたときに，あの発言を撤回してくれることを切に祈ります。

そんなことをふと思いました。